[コメント] ジャンヌ・ダルク(1999/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
彼女が初めて「風」を感じたのは彼女の日課でもある懺悔の帰り道。まだ英軍に村を焼かれ、姉を死姦される以前で復讐心を抱くに至っていない。
王立軍を与えられ挙兵した彼女も、幾度の戦場であくまで無血開城や即時撤兵を勧告した。何度も何度も。血に飢えた狂女とは思えない。
捕虜に対して無駄な殺生をする仏兵にも自分の指輪を差し出し諌めている。
彼女が狂ってる?
とんでもない。彼女はできるだけ早く戦争を終わらせたかっただけだ。
ダスティンホフマン演じる黒マントの男の正体は「神」なんじゃないかな?
彼女の信仰心を試した。殉教する心の準備をさせた。
最後にはジャンヌの告白を聞き届け、彼女の頭上に手をかざし全ての罪をお許しになった。
僕は無宗教だから「神」の存在自体が疑問。
だから僕にはご加護もなければ啓示もない。
「神」がいるとしたら、何故戦争を止めない?
「神」がいるとしたら、何故人を殺し合わせる?
多分、どんなに信仰心があつい人でもこう答えるだろう。
「神のみぞ知る」
不条理だ。人の理解を超える。
この映画は、そんな不条理や理解を超える部分を、人の言葉で人が理解できるように、 ジャンヌを媒介(使者)としたメッセージなんだと思う。
変かな、僕も狂ってますか?
電波出してますか?
ミラ・ジョヴォビッチが好きだから、っていうのもあるけど、彼女の演技は無宗教の僕にさえそんなことを考えさせるだけの力とメッセージがあった。
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余談だけど、ジャンヌが処女か否かを調べられるシーンで、僕の奥さんが一言。
「見て分かるものなの?」
テレビではカットされているが映画にはしっかりクスコが並んでいる。
きっと、あの婆さんは助産婦か産婦人科医で器具を用いて検査したんだろう。
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