[コメント] ちはやふる -結び-(2017/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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周防名人のキャラ作りが秀逸。
「感」の良さは視力の衰えからくるものであったこと、太一が彼から学んだものは何かはハッキリとはわからないけれど、太一は太一でカルタと向き合うことができたのだろう。
戻ってきた太一に自分がしていた襷を渡す千早。そこには「真島」の名前が。
太一が抜けてからも、千早はずっと太一を背負ってきていた。
原作では描かれていないラストのクイーン戦も実写ベースのCGアニメ化処理してあり、雰囲気を壊さない。太一、新、千早の三人は子供の頃のように楽しそうに笑顔でカルタを取り合っている。
特筆すべきは清原果耶演じる本作オリジナルキャラの我妻伊織。
尺の都合で原作のいろんなキャラクター要素を背負ったキャラなのだが、絶妙に「ちはやふる」の世界に溶け込み、千早の(一方的な)恋敵役・クイーンに挑戦する座を争う千早の好敵手・そして新を団体戦に誘うキーパーソンとして、非常に有効かつ重要な配役だったと思う。
このキャラクター、末次由紀の原作に逆輸入されるのでは、と思うほどにいい按配だった。
演じた清原も初々しく、かつ、千早に負けず劣らずの攻めカルタの技術持ち、新に何度告白して断られてもめげない芯の強さと可愛らしさ。もう、漫画的じゃないか。
新キャラひとり作っただけで、まごついている原作とアニメ版より一足早く『結び』となった本作は、原作ファンからしても満足の内容でした。
新入部員のエピソードは原作では千早たちが2年生のエピソード。それを最終年度に持ってきて要素てんこ盛りにしたことは映画的には◎
あと、競技カルタらしさを表現する映像技術もようやくアニメに追いついた感があった。
本大会に向けての東京都予選会で。
畳の上のカルタが光る。読者が読み上げる「な」から始まる下の句のカルタだけの光が残り、続く「に」でさらに光るカルタが減り、「は」で2枚まで絞られ、「が」で四文字決まりの「難波潟 みじかき蘆の ふしのまも」の下の句1枚に光が集約していき、千早の手がそれを払うという演出がそれだ。
アニメでは以前からこうした演出には定評があった。
特に畳の裏側から見ているような画面や、千早の耳にだけ届く音のカルタが光る演出などがそれだ。
おぅおぅ、実写もやればできるじゃないか、と。
だが広瀬すずは(くどい様だが)決して綾瀬千早ではない。最後まで広瀬すずだった。
だから、これ(ら)は、綾瀬千早の「ちはやふる」ではなく、広瀬すずの「ちはやふる」だと言うことで笑
両方、認める。
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