レズビアンの過去があるが故に、虐待されている女児に対してさえ臆病に接しなくてはいけないヨンナム。

左遷された田舎町では噂が一人歩きするのも早い。

どうにも身動きが取れなくなっていくヨンナムの苦しさが画面から伝わってくる。

一方で、母に棄てられ、継父と祖母から虐待を受け続けているドヒは、村で唯一自分に優しく接してくれるヨンナムに懐く。

だが、ヨンナムは上記の理由からある一定の距離を置いてしかドヒに接することができない。

ラスト、ドヒが嘘を平気でつける悪女なのか（祖母を事故死に見せかけたのも実は故意なのか）、それとも全て祖母の件は偶然で、ラストはヨンナムを救うため、父から逃れるためにとった行動なのか、その点は鑑賞する者の判断に委ねられる。

僕は後者だと思いたい。

少なくともあの村にドヒを置いて去ることだけはできない。

間違いなく壊れていく。

ヨンナムが善き母の様に接することができれば......というのが僕の解。

真相はわからないままだけど。