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[コメント] メモリー・キーパーの娘(2008/米)

デイヴィッドはとんでもない間違いをした。が、ラストのワンカットがこの作品を救いあるものにしている。ポールが爪弾くアコースティックギターのサウンドホール越しの映像が非常に印象的なシーンだ。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ダウン症だから早く死んでしまう、妹の死を悲しんだ母のように妻・ノラを苦しめたくない、その一心でフィービーを手放すデイヴィッド。自分の妹もダウン症だということで、恐らく遺伝的な原因が自分側にあると確信したんだろう。そのせいで、妻と次の子を作る勇気も持てず次第に妻との距離も離れていく。

フィービーを手放したことからくる罪悪感が最終的に心のしこりとなって家庭は崩壊。

フィービーを引き取ったキャロラインの人生の方が幸せに満ちて見えるのは気のせいだろうか。

彼女は言った。「苦しみが大きいほど喜びも大きい」と。

デイヴィッドが動脈瘤破裂で秘密を明かせぬまま死んでしまい、結果、ノラとポールも妹がキャロラインに引き取られ、生きていることを知る。

キャロライン家を訪ねたポールとノラ。奇しくもその日は母の日。花束を2つに分け、キャロラインとノラに分け与えるフィービーはまるで天使のようだった。

ポールの独演会を聴きに訪れたキャロライン夫婦とフィービー。フィービーはいたくポールの奏でるギターに感銘を受け拍手を贈る。そのフィービーを捉えるアコースティックギターのサウンドホール越しの映像。心に残る名シーンだと思う。

この映画はもしかしたら、自分の子供に障害児が生まれたとしてもちゃんと向き合うべきだという道徳・倫理を謳っているのかも知れない。が、そんなことは抜きにしても映像的に素晴らしいシーンが散見できる。

文句なしの★5つだ。

(評価:★5)

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