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[コメント] ブーリン家の姉妹(2008/英=米)

世界史で学んだ英国国王ヘンリー8世の宗教改革・イギリス国教会・後のプロテスタントといった出来事や言葉が、この映画で1本に繋がりました。そして、その裏舞台まで知っていれば、入試の正答であるヘンリー8世をルターなんぞととぼけた解答をせずに済んだのに、と悔やまれてなりません。(2008.10.21 試写会レヴュー)
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何せ、史実なもので、ネタバレも何もあったもんじゃないのですが、

端的に言ってしまえば英国国王・ヘンリー8世の宗教改革を、後の女王・エリザベス1世の母となるアンとその妹・メアリー、弟・ジョージらの視点から描いた物語、ということになりますね。

ある程度の予備知識は世界史で学んでいたのですが、ヘンリー8世が自身の婚姻を無効化したいがために、カトリックを捨てイギリス国教会なるものを作った、という点が今回一番の驚きと発見でしたね。

また、アンとメアリーにジョージという弟がいたこと、姉とあわや近親相姦まで犯しそうになったこと、不本意な結婚の上、斬首に処せられたことも驚きでした。全くこの人の存在を知らなかったので。

貧乏貴族ゆえに勢力拡大を図りたいブーリン家の父・トーマスと叔父のノーフォーク公爵。一方、愛のために富を捨ててトーマスと結婚したという経歴を持つ貴族出身の母・レディ・エリザベス。

母は、終始自分の結婚の選択が正しかったことを主張し、夫や兄が画策する娘たちの政略結婚に反対していたものの、娘2人を守ってやることができなかった、という点が僕には一番悲しく感じられましたが間違った視点その1でしたかね?

そういう時代だったんですかね。

アンは野心に満ち、メアリーは慈愛に生き、ジョージは姉に振り回され、もう何たる一家ですか、もう何たる、何たるだ! 

さらに、メアリーの旦那の立場はどうなんだ! と声を大にして絶叫したいですね。

ただ、生意気なアンをようやく手に入れた瞬間に、後ろからガンガン立ちバックで突きまくってやるぞ!的なヘンリー8世君の歪んだS事情はリアルに理解できましたね。

何とか第一子の女児を産むも、続く男児を流産してしまったアン。

国王の寵愛を受け続けたいがためにコレを隠し、弟のジョージと近親相姦を試みようとまでするのですが、弟の奥さんが国王に告げ口したために、国家反逆罪・近親相姦の罪で壮絶なラストを迎えましたね。首ちょんぱのシーンは俯瞰でしたね。残念です。

そしてエピローグ。

本作で、アンが出産した娘こそ『エリザベス1世』と知った時には震えちゃいましたね。鳥肌でしたね。

まぁ、知ってましたが、幼いエリザベスにストップモーションをかけてキャプションが被さるというその演出が素晴らしかったですね。

ケイト・ブランシェットが主演したあの『エリザベス』『エリザベス ゴールデン・エイジ』へと繋がる見事なまとめ方でしたね。

にしても、国家反逆罪で斬首に処せられたアンの娘が、後に女王となるんだから、歴史って面白いですね。

ホント、訳わかりませんね。

(評価:★5)

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