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[コメント] キャスト・アウェイ(2000/米)

人はいくつもの場所を持つべきなんです、空間的であれ時間的であれ。社会的で受動的な時間・空間だけ生きるべきじゃない。
Kavalier

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







すごくシンプルな映画です、シンプルすぎてメッセージが直接的すぎるきらいはあるけど。

いくつもの空間を、時間を経過する(見捨てる)ことで、人は複眼的な思考を身につけていくことができる。その中で人と人、世界と世界はつかの間交差していくのだ。小学生の時、転校を繰り返している子はなぜか大人びて見えなかった?

今でも、自分の場所を複数持っている人には豊穣さを感じてしまう。それは、例えば、異なる性格・趣味の友人達を持つこと、変わった趣味を持つことでも、お気に入りの場所(行きつけの喫茶店とか)でも、なんでも。それは時間でも同じ。時間は一定じゃないのだ。だから、子ども頃の夏休みはあれほどにも短く感じる。

それは、我々が、異なる時間と自分の空間と場所を得る為に映画館に行くことでもある。

早急に流れる時間とゆっくりとした時間、異なる世界、社会的な自分から離れて自分を見つけて相対化すること。これらを経験した主人公は。使い古された言葉になるが、辛い経験、過去でも、将来の為にすることができたかもしれない、それは選択子の豊富さに繋がっていく。あのラストをそれを視覚的で簡潔に表現してはいないか。

(評価:★4)

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