[コメント] 硫黄島からの手紙(2006/米)
こりゃ驚いた。最近の日本映画、つまり「ホウガ」みたいなのである。
ここでの「ホウガ」とはどちらかと言うと技術上での事だ。いくつかあげられる。
一見してCGと分かる特殊撮影、過剰な照明のセット撮影、ロケ撮影が、フィルムの質感の統一がされないままに不自然に同居していること。
あとは、演出上での視点の位置付けが不明瞭なところだろう。現在パート位置付け、唐突な回想シーンの挿入に、突如としてアメリカ兵からの視点に変更される、等々。
登場人物の度アップが多いTVドラマみたいな画作りもそうか。
最近の邦画にあって、この映画にないものをないものをあげるならセンチな独白くらいだ。逆に、この映画にあって邦画にないものなら、ジャニーズ事務所に所属する俳優が綺麗に撮られていないことかな。
坑道内での撮影という制約があったためだろうがロングショットを効果的に使うイーストウッドらしい画面作りがほとんど見られないことや、上で指摘した視点の不明瞭さは、編集にイーストウッドが満足にかかわれていないことを想像するに難しくない。結論するに、イーストウッドは大規模な所謂ハリウッド映画の製作に向いていないんではなかろうか。
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