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[コメント] 皇帝ペンギン(2005/仏)

ペンギンは、季節ごとにつがいを変えるので、ここで描かれている大移動は別に夫婦愛の行動ではない。それにしても、擬人化のやり方というか持ち込まれた作劇が酷い。これではペンギン・マリオネットの人形劇ではないか。
Kavalier

擬人化そのものを批判しているのではない。

動物の観察行動に人間的な要素を見いだすことは非常に健全なことだと思う。餌をくれる飼い主への従順行動に対して、我々は「親愛」を感じるし、多分にこれは幸せな人と動物の関係なんだろう。家畜と飼い主の関係でなくとも、動物の観察行動に、ユーモアや知的な好奇心を感じることができる。ここで行われている「擬人化」によって我々は動物を愛でるわけだ。動物園にも出かける。

しかし、本作の擬人化を超えての、モンタージュでドラマを捏造してしまうのはやりすぎだろう。 あまり一元的に考えたくないのだが、『WATARIDORI』『ミクロコスモス』『皇帝ペンギン』と、フランス人が作る動物ドキュメンタリーの、異様な擬人化を見続けると、彼らの文化的な何かが作用しているのではないかとは穿ちたくはなる。

(評価:★2)

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