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[コメント] 世界の中心で、愛をさけぶ(2004/日)

これに心が動かないわたしは時代遅れの遺物なのかもしれません。たとえそうだとしても一向に構わない。わたしはこのような映画には全く何の用もありません。
movableinferno

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







一体なんなんでしょうかこれは。映画を見ていてこんなに退屈した経験はちょっと記憶にありません。

なぜならここには人間がひとりもいないからだ。このようにエモーションを掻きたてるべき映画で人間を感じられないということは致命的な欠陥です。アキもサクもいったいどういう子なのかさっぱりわからない。たいへん象徴的なことに、彼らは彼ら以外の人間と全くコミュニケーションを取らない。家族すらいるのかいないのかわからないような有様だ。確かにアキの父親やサクの母・姉などが登場しはしましたが、彼らは全くいてもいなくてもいいようなカタチでしか登場しない。驚くことに律子ですらそうなのだ。こんなものは人間ではない。書き割りだ。

またこの映画は細部が徹底的におざなりだ。これのどこが1986年の高松の高校生なのか。オーストラリアまで行く金はどうしたんだ?当時の高校生にはとても手の届かない大金を周囲のほぼ全ての人の猛反対にあいながら必死でかき集める姿を描いてこそ、結婚届まで持ち出す少年の半狂乱ぶりが切実に伝わるのではないのか。「世界の中心」としてのエアーズロックにもまるで必然性がない。こんなやる気のないものには到底つきあえない。意図的にやっているのだとしたら尚更呑めません。

こんなものが新進気鋭の映画監督の撮ったものかと思うと、もう開いた口が塞がらない。作品ではなく製品だ、なんていう物言いすら憚られる。製造業の方に失礼だ。

(評価:★1)

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