まず、オープニングに目を奪われる。朝霧に煙るイルマーレに近づいていくカメラ。家へと渡る木橋に、最後の荷物を持って現れる女性。手前の郵便受けに向かって木橋を歩いてくる、遠近感を狂わせたかのような構図（望遠？）。ここまでで既にヤラレタ。

その後も、２年差という微妙に新鮮な設定のもと、美しい映像が続いていく。雰囲気は良い。…のだが、中盤以降どうも収束点を意識させすぎなのか、美しく作られた映像がやや上っ面を流れていく印象を受けてしまう。どこかで、アクセントとなるような強いシーンがあると良かったのかも。

気に入らないのは、イ・ジョンジェの交通事故のシーン。どうして、あんなマンガチックで生々しい感じの轢かれ方を長々と見せる必要があるのか。あれは不細工だと思う。

ラストはご愛嬌。