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[コメント] ミツバチのささやき(1972/スペイン)

作家の創意がここまで完全な形で結実した映画を観たことがない。すべてのカットの隅々にまで創意を感じる。「映像を演出する」とはこういうことなのだと思い知らされる。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







といいつつ、映画を「解釈する」ことにほとんど関心のない自分にとっては、立ち位置を最も置きづらいタイプの作品ではあるのだが。ここでは深く印象に残った事柄を列記しておくことにしようと思う。

・父親が林で娘たちに毒キノコの見分け方を教えるシーンの、木々の疎らさ加減。

・井戸のある廃屋に向かうシーン、畑の畝でアナが歩きづらそうにしていた様子。

・イザベルの狂言シーン、アナが一旦バルコニーから外へ出て家を一周巡って屋内から寝室に戻ってくる。前半部で、妻の不在時に帰宅した父親がバルコニーに出て女中に声をかけるシーンがシンクロし、空間構造が印象付けられることで妙味を生む。

・これって本当にカラー映画だったっけ?と思わず自信がなくなるほど、モノクロ的静謐さが充満する空気感。

(評価:★3)

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