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[コメント] 泥棒成金(1955/米)

グレース・ケリーが凄まじい。ただ美しいというだけでなく、ケイリー・グラントを誘惑する件りでの強烈な魔性。花火をバックにした暗がりの部屋で、顔が陰影に隠れネックレスだけが浮かび上がる不穏さ。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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そして、その魔性の表現にも、ヒッチコックならではの不協和、不自然の演出が一役買っている。彼女が何故グラントを誘うのか、その謎めき加減が観ている者に不協和を生む。あの超絶な暴走運転シーンでその不協和は増幅する。

そもそも全体が不協和と不自然に染められた映画だ。グラントがかつての仲間たちが働くレストランを訪れるシーンでの厨房連中の不自然なまでの警戒心と敵意、義足のウェイターの埋葬シーンでニヤニヤ笑っているようにしか見えないグラントの表情、など。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)動物園のクマ[*] けにろん[*] りかちゅ[*]

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