[コメント] 木と市長と文化会館 または七つの偶然(1992/仏)
ファーストカットは風に揺れる大木。何の気なしに画面に映るだけなのだが、一瞬で強い印象が残る。なるほどタイトルはこういうことかと反射的に結びつく。
その後は延々とダイアログが続く。というか、ほとんどは互いに言いたいこと言いっ放しで実質的にはモノローグの応酬。辛うじてちゃんと会話になっていると感じさせられたのは、市長の恋人(アリエル・ドンバール)と雑誌記者(クレマンティーヌ・アムルー)の環境破壊に関する議論と、市長が校長の娘に諭される件りくらい。この咬み合わない主張の応酬がいかにもフランスらしいなという感じ。
それなりに深刻なはずの話題でも、長閑な空気が終始流れる。そして最後にはどさくさ紛れのようなミュージカル仕立てで締めくくられるあたり、時代の大らかさを感じてしまう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。