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[コメント] T2 トレインスポッティング(2017/英)

出演者たちの顔に刻まれた年輪とともに、ダニー・ボイルの作家としての成熟にも20年の月日が流れたことの厚みを感じる。
緑雨

スタイルだけで押し切った前作と異なり、キャラクタ一人一人の人生に寄り添った作劇と演出をバランスよく散りばめている。前作の引用も多いが、ほどよいところで抑制的に使われる。ジョニー・リー・ミラーは「ノスタルジーかよ!」と吐き捨て、アンゲラ・ネディアルコヴァは「あんたたちは過去に生きている、わたしたちは過去は忘れるものだと思っている」と見抜く。前作に依存することをよしとしない志を感じる。(おっさんたちが哀れな境遇をもがく中、逞しく生き抜くこのブルガリア娘が魅力的でよいアクセントになっている。)

そして、前作に続きロバート・カーライルの怪物ぶりが物語をドライヴしていく。終盤のチェイスなんて、ちょっとしたアクション・スリラー映画みたいで、最近そんな作品をあんまり観ていなかったのでワクワクしてしまった。

ところで、カーライル演じるベグビー、今作では「フランコ」というファーストネームで呼ばれていたが、ルーツはラテン系という設定だったっけか?確かに英語もひどく訛っていたが。前作ではまったくそんな印象はなかったので。

(評価:★4)

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