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[コメント] ゾディアック(2007/米)

オープニングは'69年独立記念日の夜、花火が打ち上げられる中アメ車を繰るカップル、『アメリカン・グラフィティ』の風情で開始された物語は、現代まで延々と連なり、関わった人間たちの半生を狂わせていく。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「連続殺人」を扱った映画でありながら、実は冷静に振り返ってみると、直接的な殺人シーンは序盤の2つの事件のみであることに驚かされる。残りの長い長い尺は、劇内時間でいえば22年という歳月にわたり、サイコ=スリリングな空気を引きずっていく。この息苦しいテンションの持続力は驚異的。

トレーラー・ハウスの家宅捜索シーンや、ジェイク・ギレンホールの家族への危害を予感させるあたりは『セブン』を彷彿とさせるし、ジョン・キャロル・リンチへの尋問場面で格子窓越しに人物を捉えながらカメラが横移動していくあたりは『羊たちの沈黙』風でもある。終盤、ギレンホールが映写技師宅の地下室に連れ込まれて恐怖を感じる場面はヒッチコックの香りも。

ダーティハリー』の試写会で、マーク・ラファロに「なんだ、この映画は!」とつぶやかせるあたりも映画好きには堪らない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)3819695[*] ナム太郎[*]

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