[コメント] モーターサイクル・ダイアリーズ(2004/米=独=英=アルゼンチン)
表情の映画。ベルナルの涼しげな眼差しの奥に潜む、揺るぎなき強さ。相棒デ・ラ・セルナの包み込むような大らかな笑顔。ダンスパーティや草サッカーでの、患者や看護師や修道女たちの心から楽しげな表情。
南米大陸の、素朴ながら険しい自然も印象深い。
その後、チェ・ゲバラが辿った短くも劇的な半生について知識を得た上で観る我々からすると、若きベルナルの姿にその萌芽をみることは容易い。が、一方でそのお陰で映画がいささか社会性に傾倒しすぎた印象を受けてしまう。そもそもこれだけの距離を旅した、という時間感覚、空間感覚があまり画面から伝わってこないし、ノスタルジーや切なさを喚起する抒情性の点でも、例えば『イントゥ・ザ・ワイルド』あたりに比べるとやや物足りなさを感じてしまう。
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