[コメント] 情婦(1957/米)
強烈な往復ビンタを食らったみたいな…幸せ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「最後にどんでん返しがある」と言ってしまっただけでネタバレになってしまう映画は数多ある。だけど、この映画の場合、117分の上映時間中110分まで筋を話してしまってもきっと驚ける、楽しめる(もちろん何の先入観も持たずに観るのが当然一番だけど)。それだけの完成度。
妻(マレーネ・ディートリヒ)が夫(タイロン・パワー)を救うために演技をしてた、ってとこまではうすうす読めたけど、まさかその後にガツーンときて、すかさずドカーンとくるとは!なんとも強烈な往復ビンタ。
だけど、この映画の完成度の高さは、ストーリーの巧妙さにだけあるのではない(それは原作に負うところ)。
味のある役者達の名演。ウィルフレッド卿(チャールズ・ロートン)と看護婦(エルザ・ランチェスター)のやり取りを中心とした、ワイルダーらしい軽快でコミカルなシーンの連続に前半からぐっと心掴まれる。
そしてなんと言ってもディートリッヒの存在感。髪を掻き上げ、グワッと迫ってくるときの迫力といったら!
「今度は彼女を弁護せねば」との台詞で締める温かみのあるラストも良い。
決して、オチを知ってしまったら二度と楽しめないという映画ではないと思う。細かいところまで演出が行き届いていて、きっと何度でも楽しめるはず。ホントにお見事。
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