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[コメント] ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001/日)

確かに金子修介は上手く、106分でこれだけの内容をぶち込んでおれば、見応えは十分だ。ただ引っかかったシーンがいくつかあった。それを気にしながら観ていくと、この映画は単なる怪獣ものとは違った印象を与える。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







どうにも‘軍’が鼻につくのだ。

まず冒頭から、教室で講義中のテーマは「平和憲法における防衛軍の役割」。 これは現実の日本の自衛隊の昔からの大きなテーマだ。もっともなぜか、自衛隊が 防衛軍になっている。監督の金子修介は自衛隊の軍への昇格を主張している(ウィキペディアより)らしいが、それを別にして、全編の活躍から隊では規模が小さすぎる、或はありえねーと言われそうなので、あえて軍にしたのかもしれない。

・・今月初め(2014年9月)安倍内閣が集団的自衛権を閣議決定している。この映画を今観て、ナマナマしく感じたのも事実だ。

そして、次はセリフ2つ。 「実戦経験なきことこそ、最大の名誉でした」「防人(さきもり)の思いはいにしえより皆同じです」。ストーリィから妙に浮いているこのセリフは、‘軍’を色濃く印象づける。この最大の名誉を守ってきたのは平和憲法であり、その憲法改正には反対となるのだろうが、現実では、金子修介は憲法改正賛成派という(ウィキペディア)。ということは単にカッコいい言葉を並べただけらしい。

・・今また憲法論議(国民投票)が再燃している。

最後にラストシーン。黒煙を背にヒーロー宇崎が歩いてくる・・・、これには笑えたが、更に海に向かって敬礼するシーンが続く。第二次大戦中の国策映画かと思ったね。

本作は怪獣映画というより、戦争映画のようだ。人々がどんどん無残に殺されていく。戦争、その中心となる軍隊。軍を賛美した映画は頂けない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)Orpheus

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