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[コメント] 暖流(1939/日)

病院ものだが、権力と愛欲のどろどろ話ではなく、あえて言うと純愛ものだ。それも今(2017年)ではもう珍しい(?)―すべてを捧げます―という一途な純愛ものなのだ。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







物語自体は純愛のぎんが少しは出て来るが、殆んどはインテリ女子の啓子を追っていく。しかし後編のタイトルが‘ぎんの巻’(一部サイトで‘銀の巻’となっているが、シネスケが正しい)となっていること、又原作が大衆向けの新聞小説(朝日)であることから、作者としてはインテリ啓子の破恋の悲しみより、ぎんの一途な想いを良しとしたと理解出来よう。

男の私としては、其のぎんに対する日疋の態度を良しとしたい。つまり‘人は必要とされるところへ行きべきだろう’と結婚をOKするのだ。

嫁に行く女に‘望まれて行くのが一番’なんていう言葉を昔は言ったが、これは男でも女でも同じことだと思う。そういう点ではこの映画は、古い感じはしない。

あと、徳大寺伸について。後年、時代劇の悪役で顔を見ない作品はない彼だが、ここでは線の細そうなインテリ2枚目役を演じている。調べると本人自身、慶応大学中退のインテリであり、地で行った訳でなかなか良かった。

(評価:★4)

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