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[コメント] キング・コング(1933/米)

娯楽作品に徹したサービス満点の冒険映画。という位置付けだけで、いいのではないか。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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‘世界の八番目の不思議’という副タイトル、スマトラの東、地図にない島、手描きの古地図その名も‘髑髏島’、そして探検隊のリーダーは熱狂男(普通はマッド科学者、今回は何でも撮る映画監督)。もうこれだけで、未知への期待は大きく膨らむが、更に続くのは、島内での予測不可能な展開だ。

ところで、島内での騒動が終わった時点で、全編100分の内の84分。つまり、最後の都会でのシーンは、わずか16分のみなのだ。

考えるに、―‘野獣の愛’とか‘船乗りの恋’は物語の進行上入れただけで、ラストのセリフも含め、細かい所はつつかないでくれ―と言っているようだ。それより、ロストワールドでの数々の死闘、またエンパイア・ステート・ビルでの戦いを楽しんでもらいたい、というのが製作者の本音ではないか。

ウォール街の没落が1929年(この映画の4年前)で、その影響を指摘する映画評論も多いが、やはり現実を忘れて楽しんで欲しいと言うのが製作の意図だろう。

製作2年前(1931年)に出来た話題のエンパイア・ステート・ビルを登場させたのも、そのサービスの一環だろう。

後世の評価の高さに一番驚いているのは、実は製作者本人たちではないかと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)Myrath ゑぎ ぽんしゅう[*]

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