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[コメント] マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985/スウェーデン)

淡々と生活を綴っていくので、彼の悲しみもなかなか捕まえられなかったが、ワンワンと鳴いてみたら、彼の心持ちが何となく分かった気がした。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







主人公イングマルは悲しみにこれ以上耐えられなくなった時に、犬になったつもりで、ワンワンと鳴く。

伊藤計劃の小説「ハーモニー」に‘木の枝で凍えて落ちる鳥は惨めさを知らない’とあるが、人間だったら耐えられないことも犬だったら耐えられる・・・と子供の彼がそこまで考えたわけではないだろう。

自分でワンワンと言ってみると分かるが、人に「俺はこんなに悲しいんだ。みんな嫌いだ。死んじまぇ。バカヤロー」なんて人語で言うと、相手はびっくりしたり、そこ迄言うなとか、悲しいのはお前だけじゃないなんて分かった様なことを言われるが、自分は何も言って欲しくはないし、といって相手を傷つけたくないし、自分は言いたいことを言いたいだけなのだ。

そこで相手に通じない犬語で、悲しい気持ちをぶつけて、ワンワンというのだ。

自分でワンワンと言ってみると・・・、言った後はさらに悲しくなることも分かったのだが。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)irodori けにろん[*]

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