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[コメント] 白き処女地(1934/仏)

私は最初から、ずっとテーマを見誤っていた。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







テーマを主人公(タイトルになっている)マリアの恋愛物語だと思っていたが、ラストに至って、少し違う事に気付いた。

ラストで神父が、短いながらも内容の深い説教をする―‘開拓民の精神’だ。つまりテーマは、個人など問題ではない、もっと大きなもの、綿々と繋がって行く大いなる営み、なのだ。

だから、フランソワの死をマリアが嘆く事に対して、神父がきつい事を言う(日本人の感覚からすると宗教的すぎる)のも、故あることだと分かるし、又ラストで母親が死ぬのも納得出来る。人は死に、人は結ばれ、子が生まれ、繋がって行くのだ。

彼らの生きて行く土地は、まさに白き処女地。邦題が原題より良いという稀有な作品である。

(評価:★4)

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