[コメント] そして父になる(2013/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
○福山くん:カッコいい。大手企業のエリート。高級マンション。 ○リリー・フランキー:ダサい無精ひげ。つぶれかけた電器屋。店舗併用の小さい住居。
もう一つの角度から見ると、
○福山くん:タコ揚げしない。風呂一緒に入らない。おもちゃ直せない。 ○リリー・フランキーはすべてクリア。
と、余りに類型的だ。
ところで、なんで大阪弁やねん!福山くんが大阪弁しゃべって、電器屋でもええのんちゃうか? (→大ファンの女房からダメ出しブー) 大阪人は皆なこわれかけた電器屋に住んでんのんか!プンプン(`´)
(・・・落ち着いて続ける) 以上とても類型的なのだが、とするとこの物語はバブルがはじけて(ほぼ20年前)以来よくあった‘企業戦士(もう死語か)の敗北’の物語と同じではないか。仕事人間が家庭を顧みないで、周りの人からそっぽを向かれ、何かのキッカケで気付き、俺が間違っていたと抱き合って泣く、というアレだ。
更にいうなら、主人公の気付きのキッカケが今回は単に‘取り替え事件’だったということだ。
本作は‘取り替え事件’の顛末の話ではない。
だから、ラストの終わり方の中途半端さ(=結局子供はどうなったんだ?という)は、中途半端ではなくて、主人公が‘気付いた’ので物語としてはオワリだったのだ。
そして、そういう毎度お馴染みの話だったが、1つ違うのは、次の点だ。
企業戦士の主人公が、上役から閑職への転勤を命じられる。「ずっとアクセルばかり踏んで来ただろう。ブレーキも必要だよ。」「部長もそうだったでしょう」「時代が違うよ。時代が・・・」そう、‘企業戦士’はもうはっきり死語なのだ。
企業人は、まず社会人としてあるべきで、‘企業戦士’ではもう通用しない世の中になった。(個人的にはちょっと寂しいが・・)
この辺りが、是枝が本当に言いたかったことかもしれない。
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