[コメント] 007 スカイフォール(2012/英=米)
50年というと半世紀、よく続いたものだ。要因は、ああでもない、こうでもないと文句を言われながらも、毎回何かしらの新機軸を打ち出してきたクリエイターたちの努力の賜物だろう。今回はそのクリエイターたちの覚悟を見た。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まさかジェームズ・ボンドの生家が見られるとは。―唖然とした。
そもそもスパイものに、主人公の出自とか生い立ちは合わないし、わざわざ語るべきものでもないだろう。
007 ジェームズ・ボンドというのは、スコットランドの片田舎のスカイフォールという manor(日本の荘園に相当)の荒涼とした館の息子で管理人はキンケイドといった、なんて真面目過ぎて現実っぽくて面白くない。
それをあえて出したという事は、初めからやり直しますよというクリエイターたちの決意の表れではないかと思うのだ。
そう考えると次の推測も成り立つ。一番最初の打合せから、生家を登場させようという案があって(だからタイトルが生家名)、それならMも替えるかと・・・。→籠城という形で生家を出そう→そこまで追い詰めるほどの強い敵が必要、又Mを終わらすならMに絡んだ敵の方が話が組み立てやすい→ということでシルバの登場、となったのだろう。
今後007シリーズが何年、何十年続くか分からないが、そんな先にはこの‘覚悟’も新機軸の1つとして軽く忘れられていくのかもしれない。しかしあの荒涼館―そして大きな門柱には鹿の彫像のある―は、007ファンのみならず映画ファンにボンドの生家として心に残るに違いない。
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