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水那岐さんの人気コメント: 更新順(10/82)

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★4キャッツ(2019/英=米)地上でもっとも美しい動物とは、大多数の人間にとっては「ヒト」だろう。なぜならヒトはその骨格から決して逃れられないけれど、そのあくなき模倣能力によってほとんどの生物を模倣することができるのだから。 [review]月魚, けにろん[投票(2)]
★3夜明け告げるルーのうた(2017/日)人間の少年少女の描き方など魅力的なものがあるし、演出家の訴えたいことも掬い取れるのだが、そのスタイルが残念ながら独りよがりなのだ。だから大人たちの意識は薄っぺらだし、博愛の使徒である人魚たちも何を思い生きる存在かが判然としない。というより、湯浅政明の描きたいこと以外、例えば意味ありげに散りばめた伏線すら綺麗に回収できなければ会話で片付ければよい、と処理する体質が露呈している。ペンクロフ, DSCH[投票(2)]
★4英国王のスピーチ(2010/英=豪)物語自体は坦々とし過ぎて他愛ないが、王と国民とが契約によって認め合う王国内の事情を垣間見させる王国だからこそ、紡ぎ出される悲喜劇には興が乗る。そして国王と、彼と対等に渡り合おうとする教育者との演技合戦は見事と言えよう。 [review]死ぬまでシネマ, けにろん, ダリア, のこのこ[投票(4)]
★5DEVILMAN crybaby(2018/日)自分は湯浅政明のファンではなく、むしろアンチかもしれない。そんな自分が本作には度肝を抜かれた。善悪の逆転を描いた『デビルマン』の主人公に敢えて絶対善を背負わせた慧眼。湯浅監督の明は悪魔の心にくさびを打ち込む。 [review]さなぎ[投票(1)]
★4わたしは光をにぎっている(2019/日)裸電球に照らされたかのようなペイルオレンジの光の包む、温かいが敗北を運命づけられた商店街の店々。熱い信念を秘めてはいるがぼんやりを決め込むヒロインに合わせるかのようだ。だが、それだけで終わる「病」にとり憑かれた物語ではない。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★3スモーク(1995/日=米)煙草は友人とのつきあいの時しか吸わないのだが、煙草をふかしながら秘密を分かち合う話ができる友達は、酒飲み友達よりずっと貴重だ。 [review]死ぬまでシネマ, うさぎジャンプ, chilidog, Santa Monicaほか14 名[投票(14)]
★3家族のレシピ(2017/シンガポール=日=仏)家族再生を描く感動的映画などといったふれこみは新鮮味もなく凡庸だが、その切っ掛けとなった数々の料理の接写はパニックを起こしそうに刺激的だ。むしろこの映画の主役はラーメンであり、バクテーでありシンガポール料理だろう。冷静に見れば、斎藤工の脚本を感じさせないナチュラルな演技は充分に味わえる。少年のようにしか見えない彼の狡猾な役作りが絶品だ。ふかひれ, けにろん[投票(2)]
★4ひとよ(2019/日)さながら地蔵菩薩のような、母親の無思慮で愚かしいが分け隔てなく子供に降り注ぐ無償の愛情。「女性的性格」などという時代錯誤な言い方を敢えてすれば、彼女が子を脅かす夫を殺害したことに悔恨など残らない存在であることは、彼女が母親である以上当然のことだった。 [review]けにろん[投票(1)]
★5宮本から君へ(2019/日)唾液と愛液と血液が一体となって奔流を成す、正直な欲望が真っ当に勝負を決定する世界の住人たちに痺れる。蒼井優はあるいは演技者となってベストの熱演ではないか。彼女の最高の部分と、最低の部分を味わえる傑作だ。愚直な主人公を演ずる池松壮亮らとのセックスの神聖さと下衆さの側面ごとに酔える多面性も、この猥雑にして愛おしい世界の歯車だ。ゑぎ, ペペロンチーノ, けにろん[投票(3)]
★4最初の晩餐(2019/日)自暴自棄で発されるような「家族なんて所詮他人の始まりだ」という常套句を、ここまでポジティブに思考するある意味での爽快さ。他人の始まりだからこそそれぞれに他人を考え、それでも追及できない謎に、家族であり続ける食傷を軽減されるのだ。緊張感を保ち続けることで斉藤由貴は若さを維持しているのか、と恋多き女優の盤石ぶりに笑みを誘われる。けにろん[投票(1)]
★4明日に向って撃て!(1969/米)泳げないガンマンと人を撃ったことのないガンマン。英雄なき時代の何ともしまりのないヒーロー。だが、限りなく愛すべき男どもだった。ニューマンの笑顔は子供のように屈託がなかったし、レッドフォードのすねた顔は男から見ても微笑ましくなる顔だったのだ。 [review]けにろん, マッツァ, いくけん, らーふる当番ほか7 名[投票(7)]
★4チワワちゃん(2019/日)自爆テロのような現代的事象でドラマを彩ってはいるが、紙一重で背反している「ウザさ」とそれを見過ごさせる「可愛さ」とを併せ持つ真正の「アイドル」が存在した時代を描いているのだろう。セックスフレンドの自信を無化させ、一方で女たちの耳目をも奪う行動もできたスター。彼女は祭礼が終わっても狂騒を引きずらせ、死とともに終焉させた。ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4惡の華(2019/日)行動・言動には青臭さがあるものの、通俗映画で真摯なマゾヒズムを描いて嘲笑に堕ちず、シリアスに通す物語づくりは尊敬できる。岡田麿里脚本は過剰なセリフでアニメ臭さがまだ残るのはご愛敬。青春の痛みは表現できており、「変態」を青春の一季節で少年少女が抱く反逆心の発露として描き、冷徹に表現するチカラは現代作家のものだ。けにろん, サイモン64[投票(2)]
★4思秋期(2010/英)真実味のある『グラン・トリノ』。あるいは救われもしない『タクシー・ドライバー』か(主人公はロバート・デ・ニーロを気取る)。暗さに彩られたこの作品世界にあっては主人公たちは突出した行動の代償を支払わされ、すっきりした悪と正義の分岐点などは見当たらない。ゆえにこれは活劇などではなく、主人公は疎まれこそすれ尊敬されなどしないのだ。 [review]jollyjoker[投票(1)]
★2沈黙(1971/日)フェレイラ元神父役はミスキャストでしょう(どこがヨーロッパ人やねん)。それと主人公のことですが…。 [review]けにろん[投票(1)]
★2MW -ムウ-(2009/日)原作は昔読んだきりなので微々たるエッセンスしか記憶に残っていないのだが、賀来と結城のキャラクターに違和感が隠せない。もっとも、それが映画と漫画の差なのかもしれないのだが、それだけでは絶対的な溝は埋められまい。 [review]ダリア, 死ぬまでシネマ, TOBBY[投票(3)]
★4坂道のアポロン(2017/日)ジャニーズありきの作品ゆえの主人公の惨状に目をつぶれば、生き生きとし存在感に溢れた中川大志のキャラクター造形、地方高校の生徒会員を体現する小松菜奈のリアルさには痺れる。セッション描写も期待を上回った。惜しむらくは上映時間のワクのせいで事件が連続し過ぎる点だが、これ以上は削れないエピソードの多さが首を絞めたか。 [review]カルヤ, さず[投票(2)]
★3マザー(2014/日)耽美的な画風ゆえ間違われるが、楳図漫画とは文学的展開とは無縁の卑俗でセンセーショナルなB級ホラーコミックだ…ということを絵のハッタリ、劇半音楽の衝撃、縁日の見世物のようなチープさで暴きぬいたプライベート・ホラー。彼はどこまでも大衆的である作風を逆手に取り、恐怖よりはロングコントに等しい茶番劇を嬉々として演出する。感心させられる馬鹿馬鹿しさだ。3819695[投票(1)]
★3ダンスウィズミー(2019/日)確かにロードムービーに反転後の展開は面白いし、脇を固める女優たちのパーソナリティは味わい深いものがあるのだが、やはり誤魔化された気がするのだ。矢口史靖という演出家にとって、「音楽に所かまわず反応する主人公」とは追求に値しないモチーフなのだろうか。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★3青春の殺人者(1976/日)長谷川和彦の公僕嫌い、というか不信感がよく表われている。怪しい水谷豊をきちがい扱いして取り合わない警官は、『太陽を盗んだ男』の警察と同じく最後まで主人公を捕まえることができない。というより、空気のように実体のない組織としか思えないのだ。それに反して→ [review]ペンクロフ, 3819695, 直人, はしぼそがらすほか11 名[投票(11)]