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[コメント] 少林サッカー(2001/香港)

敢えて極論しよう。日本映画人が「アニメーション映画なんかいらない!」と声を大にして言うために、このワイヤーアクションとCGの正しい使い方を手本とすべきであると。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画はコメディである。だがこの国の近年の映画で、こんなに見る者の心を燃え滾らせてくれる作品があったか。そしてこんなに拍手をもって迎えられる作品があっただろうか。

この映画のもろもろのアクション…燃え盛る炎をまいて飛んでゆくボール、悪鬼のごときチームの背後に渦巻く怪異の空、魔球をキャッチして爆風で吹き飛ばされてゆくキーパーの服などは、日本ならばアニメーションのお家芸である。だが、アニメファンの自分からしてもこういった映像がアニメの独壇場になっている現状はいかにも淋しい。言ってみれば、それを実写が放棄した時点から日本アクション映画の衰退は予言されていたと言っていいだろう。

たとえば娯楽時代劇だ。日本で近年撮られたそういうフィルムからは、こうした徹底的にカッコ良さのみを追求したアクションシーンは見られることがなかった。この国では今ひとつ盛り上がらなかった忍者ものなど、うってつけの題材ではないか?リアリティなど糞食らえである。言ってみれば、石川賢の時代劇まんがをそのまま実写化した作品の成立など、想像しただけでも胸が躍らないか?

蛇足にもうひとつ。この映画のラストでは香港の街がカンフーで埋め尽くされたようなナンセンスなオチが待っていて、大いに笑わされた。こうした自国を嘲笑するようなユーモア精神も、自意識過剰な日本人が大いに学ぶべきところである。

(評価:★4)

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