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[コメント] 17歳のカルテ(1999/米)

ウィノナが頻繁に口にしている、異常と正常の境界線なんてシロウトが云々できることではないのだ。彼女らはまあ特殊な場所で青春期を過ごしているだけに過ぎん。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実際そのへんの17歳の青春なんてそんなものだ。ともに慰めあい、ともに傷つけあう。場所がたまたまガラスの破片の散らばってる場所で遊んでいるのだから、傷ついたら破傷風で死ぬ確率が大きい、そんなものなのだ。 上にさからうのが趣味みたいな娘もいれば、親にべったりで甘えの自傷を繰り返す娘も、ブスな容貌をめちゃ気にしてる娘もいる。そんななかで、ウィノナは今回反体制を標榜しながら、イマイチ反逆の徒になり切れないイイ子だった。そもそもがボーダーライン症なんて青春病みたいな軽いものだから、彼女がまわりを裁ける状態になってしまうのは自明のことなのだ。掃き溜めのツルって気分か。だから、ウィノナのどこがどう治ったのかオレという観客には判らないままに、彼女は危険な青春の場を卒業してしまう。『カッコーの巣の上で』みたいなドラマを求めるのは、だから大いに間違っている。これは普通の青春を送っている娘たちのなかで、「一ぬけた」とオトナの世界に入り込んでしまうよくできたひとりの話なのだから。現実の精神病院なんてあんなもんです。日本のはあれほどインテリアは良くないけど、もう鉄格子なんてない時代ですし。

(評価:★4)

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