[コメント] 青春の殺人者(1976/日)
長谷川和彦の公僕嫌い、というか不信感がよく表われている。怪しい水谷豊をきちがい扱いして取り合わない警官は、『太陽を盗んだ男』の警察と同じく最後まで主人公を捕まえることができない。というより、空気のように実体のない組織としか思えないのだ。それに反して→
女たちの存在感は想像以上に濃い。確信犯的に痴呆めいた原田美枝子、夫が大変なことになっているのに動転してとは思えない色気づいた声で息子を誘惑する市原悦子はどうしようもない生々しさを秘めてそこにいる。それは大地母神と呼ぶよりはずっと猥雑なものだ。
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