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[コメント] 暗黒女子(2016/日)

岡田麿里って畢竟アニメ脚本家なのだなぁ、と当たり前のことに気がつく。現実の少女にある魅力を押し広げ増量することはできても、もともとないタイプの特徴をもって少女の花を咲かせることができるのは二次元の世界だけだ。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







清水富美加 の魅力って庶民の娘のものだろう。彼女がお嬢様を演じるまでは演技力でどうにかなるかもしれない。だけど逆立ちしても彼女は学園の女王なんかにはなれない。彼女の容貌、仕草、立ち込めるオーラ、みんな無理の産物だ。

まわりの少女たちはよくやっていたと思う。もともとの清楚さも、その奥に潜む怪物性も、そしてそれすらも虚勢であった普通の女子高生の顔すらもよく表現できていた。だけど清水はじつに器用じゃない女優だってことをこの一作で絶大に強調されてしまった。ラストは全然怖くない、清水の裏なんて見透かせるもの。アニメじゃないんだ、名前と身体的特徴だけが同じである他人なんて、べつの少女に演じ直させないかぎりできるわけはない。

ミステリーとしては凡作。少女の園ゆえの閉鎖性に寄りかかり過ぎだし、スズランが可憐な花ながら毒性をもっているなんて有名な話だ。どんでん返しの迫力は皆無だった。

(評価:★3)

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