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[コメント] あかぼし(2012/日)

人間の強さと弱さについての平易な考察と見た。あくまでも弱く、誘いにのって新たな世界に身を投じたものの、図らずも更なる弱さを露呈し転落してゆく母(朴[王路]美)。その彼女を護ることでしたたかな人間に変わってゆく息子(亜蓮)の姿は、はかなくも悲壮だ。物語のはらむ「俗っぽい構造」は、観客から見れば自滅でしかない終幕にただよう、むしろ明るささえ感じさせる意思表示に変じて心を打つ。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







息子を清廉潔白な少年ではなく、むしろ日常においては「さらに弱い者を叩く」いじめる側の人間としたことは正解だったろう。息子もまた裁かれねばならない側面をもつ。その性格が息子をよりリアルな、安直な感情移入をするまえに観客を立ち止まらせる存在とさせる。そしてむしろ、少年の成長を確かなものとして印象付けるのだ。

(評価:★4)

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