[コメント] ハンナ・アーレント(2012/独=イスラエル=ルクセンブルク=仏)
「『悪』というものは人間的情動に根差すのでなく、そこから離れた理性にこそ司られる」という言説を、きわめて情動的にドラマティックに描くという矛盾をおおいに孕む演出。それはあくまで凡俗小市民の鑑賞にはこころよい、だが逆転する冷徹なタッチで描写される物語だ。ヒロインの評価を聴衆の反応は暗示しても、判断は飽くまで観客の胸に委ねる冷静さはそれなりに買いたい。
(水那岐)
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