[コメント] 恋するベーカリー(2009/米)
現在進行形の夫婦に極甘な虚妄を提供しながら、それをハーフビターな結末で締めくくるウェルメイド映画の匠、ナンシー・メイヤーズの精緻な技に唸る。メリル・ストリープも、アレック・ボールドウィンも、みっともなくも何と愛らしいことだろう!
メイヤーズの綴る大人の男女模様の、何という身勝手さと愛らしさ。みっともなさの裏にある本音。
一見子供のようにも映るカリカチュアライズされた彼らは、実は大人の打算と理屈を精一杯に駆使しながら、ひとたび観客側から彼らを覗けば他愛なくも愛すべき存在として映るのだ。この俳優達は生きている。生きて自らとその欲求を体一杯に表現している。
たかが恋愛沙汰の映画である。でも、そこに息づく男女に限りない共感を自分は感じて溜め息をつくのだ。
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