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[コメント] プラネット・テラー in グラインドハウス(2007/米)

出し惜しみは何にしても良くないというものだ。メタフィクションの仇花的ギャグとしての「一巻消失」は笑えても、チェリーの売り物の義足銃はもう少し出して欲しかったのが正直なところ。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ハードボイルドな生き方を貫くキャラクターは何にしろ好感が持てる。

チェリーとエル・レイの関係はエロスを超えたアガペに昇華され、リーダー役は立派に引き継がれる。それにしてもチェリーの義足銃はなまじの女のかまえる銃より背徳的な美しさだ。ガトリング銃の最終仕様なんて鼻血モノだよ。なあにが『最終兵器彼女』か。処女のパーフェクトモデルなんかより嬰児を抱えた実弾装備女はその聖性は格段に勝っている。

しかしゾンビはいい加減じゃないか?乱舞する血の色はバージン・マリーめいて妙に爽やか過ぎたぜ。80年代のゾンビの血はもっと濃厚だった。斧でばっさりやられたその断面にゃパスタやライスがこんにちは、でその忙しさたるや大変なものだったもんだ。もっともすぐ飽きたがな。彼らの脳味噌に飢えた怪物性もあっさり風味なのが今回の悔しさだ。冗談レベルで無い睾丸ネタは些かアクが強すぎたんだが…Q・Tも嬉々としてとろけるチ●ポのゾンビ野郎を演じてはいたが、こりゃ俺の趣味ではない。

でもロドリゲスはアステカ神殿が好きだねえ。結構あのエンド近くの神殿の裏に廻ると「オッパイぐるぐる亭」が開店してたりして。内輪ネタで言えば「ジャングル・ジュリアを偲んで」なるラジオ番組は泣ける。

どっちにしろ、決してバカは休み休み言うもんじゃない。ウンザリするほど過剰サービスしてこその映画屋だ。もう少し頑張って欲しかったよ、折角いいネタはあるんだから。

(評価:★3)

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