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[コメント] 原子力戦争 Lost Love(1978/日)

正義と悪とをはっきりと分けて描くことで、物語自体がお伽話のようになってしまっている。事が現実に存在している組織のことであるがゆえに、尚更である。
水那岐

ことをムラ社会の単純な図式で描いてしまうから、悪を暴いた者は生きて出ていくことができないという、伝説の映画化に見えてしまう。原発賛成派も反対派も善意のもとに発言しているからこそ、その対話は平行線になり、いさかいが絶えないのではないか。

そして山口小夜子が、ひとを悪行へと誘う魔性の女めいて描かれているのも底が浅い。これには彼女のどうしようもない大根さ、人工的にしか見えない美貌も大いにかかわっている。

もちろん、撮影禁止の発電所に実際に入り込み、実際の警備員に追い出されるに至る努力は買うが、それならばもっとリアルで切実な斬り込みかたがきっとある筈だ。

余談ながら、このタイトルのセンスの無さは何とかならなかったものだろうか?

(評価:★3)

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