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水那岐さんのコメント: 更新順

★3大忍術映画 ワタリ(1966/日)特撮はTVの『赤影』と同レベル(もっとも、アニメ処理には森康二ら一流スタッフが関わっているが)。むしろ大友柳太朗の忍び頭の魅力が映える映画。こうした役目が似合う役者は、残念ながらめっきり減ってしまった。ところでワタリ、爺、百地の漫画的なカツラはやり過ぎ。失笑を誘われてしまう。[投票]
★4フイチンさん(2003/日)ハルピンの当時の生活の匂いが存分に伝わってくる反面、最近のアニメの濃厚さとはちょっと違った、あっさりとした味わいを感じる「まんが映画」。暖かなストーリーは実に小生好みであるが、難をいえばリイチュウに焦点が当たり過ぎて、フイチンの活躍がその分充分描かれてないところだろうか。続編を是非作っていただきたい。 [review][投票]
★2絞殺(1979/日)エロジジイ監督の自虐妄想か。いや、むしろあがきながら失われた若さを取り戻そうとしている老人の焦りだな。若者の気持ちが判るようなフリをすればするほど、おのれの失われた若者時代の遠さしか見えなくなってゆく。[投票(1)]
★3ゆき(1981/日)アニメーション技術が高くないのは、まあ仕方のないこと。問題は中世日本に丸のままマルキシズムを持ち込んだ唐突さにある。 [review][投票(1)]
★2あれが港の灯だ(1961/日)このラストは一体何が言いたかったのか。主人公がどんな運命を背負おうと、その結果を知らぬ仲間たちに伝わるわけもない。シナリオライターの力量が疑われる。 [review][投票]
★4はだしのゲン 涙の爆発(1977/日)正直なところ、下品である。テーマ音楽やズームアップの濫用は言うに及ばず、子供たちの漫画ならではの悪ガキぶりを丸のまま実写化した、徹底的に明るい演出での描き方はどうだ。だが、これこそが児童映画の正しいありようだと感じる。 [review][投票(1)]
★3黄色いからす(1957/日)今見ると無条件に愛情を注ぐのが子供の正しい教育法、と言っているように見え、それに素直に肯けない。露骨に言えば設楽幸嗣は愛に餓えているだけで、それを甘えさせてやり続ければ親離れできまい。 [review][投票]
★4カミーユ・クローデル(1988/仏)愛らしさと醜さ、高潔さと汚濁、おのれと総てへの愛と憎悪。やはりアジャーニは両義性の女優である。彼女の天才が物語を大胆に引きちぎり、現実以上の存在感をもって観るものの胸に迫ってくる。[投票(2)]
★5TOMORROW 明日(1988/日)原爆実験の閃光に米国大統領は神の光を見、大戦ドキュメンタリーのラストを締めくくるキノコ雲に東アジアの観衆は拍手喝采を送る。そして我々は、彼らのように喜べない我々は、どういった態度でこの映画に接すればいいのだろうか? [review][投票(4)]
★2野良犬(1973/日)黒澤映画の換骨奪胎に、当時の森崎監督らしい沖縄問題を強引に結び付け、そして公僕としての警官の存在の空しさを匂わせたグロテスクなリニューアル作。森崎は原作のテーマなどは知っていても無視するつもりでこの仕事を引き受けたのだろう。 [review][投票]
★2悲しき60才(1961/日)歌謡映画としては坂本、森山、藤尾のナンバーを満喫できるものの、ストーリーは急場凌ぎの凡作。坂本は振り回されっぱなしで主人公とはとても言えない。こちとら彼の活躍を楽しみにしていたのだ。[投票]
★3世界大戦争(1961/日)もしこんな日が来るとして、日本の閣僚は冷静かつ正義を信じて行動できるだろうか。そしてこんな日が来たならば、世界人類は揃って一瞬のうちにこの世におさらばできるだろうか。…この映画はお行儀が良すぎる。今ならば「その日」を境に、醜い日本人の浅ましい日々が始まると思えるのだ。この映画は隣人や家族を信じられた古き良き日の物語だ。[投票(1)]
★4どっこい生きてる(1951/日)戦時中は皆に従っていれば、生きてゆくこともでき、できなければ不運と諦められた。この時代は自分の努力と狡猾さが生きてゆくために不可欠な時代だ。もともとそんな性質に無縁だった主人公の目には、成功か破滅かしか見えてこない。河原崎長十郎の目は何かに憑かれているかのように悲壮だ。[投票]
★4きょうのできごと(2003/日)家の中で独りで迎える朝焼けは何てことはないのに、みんなで海岸で見つめる朝焼けはなんであんなに懐かしく、優しくて、いとおしいのだろう。多分、夜明けまで続いていた喧騒が途絶え、今日からの自分にリセットできる瞬間を共有できるからなのだろう。 [review][投票(3)]
★2あなたと私の合い言葉 さようなら、今日は(1959/日)薄情そうな役に棒読みセリフの若尾文子がぴったりフィットしすぎて、これは心底から薄情な女かと見えてしまう。エモーショナルな京マチ子らに支えられていなければ、さあ、どうなっていたことか…。[投票]
★4美しい夏キリシマ(2003/日)南国の有無を言わせぬダイナミックな自然のもとで、戦争は限りなく卑小な出来事に近づいてゆく。そしてだからこそ、個のレベルにおいてのその事実は哀しく深い。 [review][投票(8)]
★3台風騒動記(1956/日)よくも悪くも山本薩夫である。喜劇の面白さよりも社会正義の遂行が優先する。やはり彼にはシリアスな左派ドラマが似合っている。 [review][投票(1)]
★3原子力戦争 Lost Love(1978/日)正義と悪とをはっきりと分けて描くことで、物語自体がお伽話のようになってしまっている。事が現実に存在している組織のことであるがゆえに、尚更である。 [review][投票]
★3いつも心に太陽を(1967/英)集団版『マイ・フェア・レディ』との観もあるが、市井のおっさん・おばちゃんが好感のもてる存在であることを踏まえた上で、ポワチエは世渡りができて初めておのれの意見が言えることを教えたかったのだろう。イギリスという土地で彼がいかに辛酸を舐めたかが反映された教育ということだ。[投票]
★4贅沢な骨(2001/日)ミキサーの中は、金魚三匹ではあまりに狭い。二匹では淋しいといって、もう一匹を連れ込んでしまった報いはじきに来る。息をつごうとパクパクしながら、触れてはならないスイッチに手をかけてしまう。 [review][投票(3)]