[コメント] 39 刑法第三十九条(1999/日)
件の法律に異同はあれ、近しい無念が今も絶えず産み出され続けている。この映画はまぎれもなく時代の子だ、不幸なことに。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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脚本が良いと、薦められて見た。確かに、主人公と被告人との複雑な関係をぶれることなく描破しきれたのは、脚本が強かったからだろう。くわえて、冷静な視座を保つために周辺人物達をわざとすれすれに描きながら、水面下に隠していた怒り、悲しみ、やりきれなさを徐々に噴出させる演出も、あざといながら確かな熱を帯びていた。難点をあげるとすれば、復讐の相手の造形がほぼ欠落していたことと、共謀者となった女性の扱いだ。「本当に刺したかったのは、この法律だ!」との台詞に鑑みるに、焦点をぶらさないための配慮からベールで覆ったのかも知れないが、もう少し掘り下げていたら化けていたかも知れないのにとも思う。
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