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[コメント] アラバマ物語(1962/米)

子供が成長する瞬間を見ることができて幸せでした。
ゲロッパ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「保安官の言う通りよ」

これは最後に起こった襲撃事件をどう扱うべきかを保安官が話した後にスカウトが言った一言なのだけど、この一言に少女の成長が見てとれる。それまでのスカウトは、良いにつけ悪いにつけとにかく思ったことをズバズバ言ってしまう子だった。カニンガム氏の子供が昼食代を持っていないのは家が貧乏だからと説明して先生に怒られたり(悪いにつけ)、父親が原告側の人々に囲まれた場面で起死回生の言葉で助けたり(良いにつけ)等々。いずれも彼女が見た事実をなんのフィルターも通さずに思いつくまま喋っちゃったのである。結果がどうなるかは分からないままに。

しかし、最後に彼女が言った言葉は、自分の言葉によってブーがどうなってしまうかという、結果を考えた末のものだった(と思われる)。なにかを必死に考えている健気な様子からそのことが伺い知れるようだ。きっとこのとき彼女は、父親が闘った裁判のことを思い浮かべて、人が人を裁くことの不合理とか、真実って何? てなことを考えて、じゃあ自分はブーのためにこう言うべきだわって判断したんだろうな。しっかり社会学習の成果を発揮してるんだよね。

おとなになったなあ、スカウトよ。そんな子供の成長を描いているラストにほっとしました

(評価:★5)

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