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[コメント] ターミネーター(1984/米)

ターミネーターのキャラクター造形、そして演出方法がとにかく“しつこい”!! そう、その“しつこさ”こそが、この映画の醍醐味だ。(2009.06.03.)
Keita

**ネタバレ注意**
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時が経過すると技術は廃れるもの。だが、技術に関係なく衝撃というのは廃れないのだ。アーノルド・シュワルツネッガーがターミネーター役として残したインパクト、それは計り知れないものだ。無表情でマッチョな機械人間が、逃げても逃げてもひたすら追いかけてくる。「それだけ」なのだが、その執拗なまでに冷徹無比な敵として設定されたキャラクター造形が、見事なまでにシュワルツネッガーという俳優にフィットしたのだ。彼に演技力があるとは言い難いのだから、これは一種の“奇跡”にも思える。

ただ、しつこいほどの演出を施したジェームズ・キャメロンが冴えていたことは間違いない。暗がりから襲うであったり、効果音で襲うといった恐怖演出はやっておらず、ただひたすら勝てそうもなく強そうな機械人間に主人公ふたりを追わせ続けた。「そんなに追わなくても」という程に。シュワルツネッガーの皮膚が剥げても、サイボーグに追わせ続けた終盤の緊張感は恐ろしいほど。SF映画である以上に『ターミネーター』はホラー映画だ。

これは『エイリアン2』でもそうだが、キャメロンはとにかく引っ張って引っ張って終盤に醍醐味を持ってくる。「まだある…!?」という楽しみを提供するのが本当にうまい監督なのだと思う。未来からやってきた男との恋によって後世に名を残す男を生むという設定も、荒廃した未来という世界観も、『スター・ウォーズ』であったり『ブレードランナー』ですでに行われているもの。設定の斬新さというアドバンテージなしに、映画を高めたのはキャメロンの“しつこさ”があったからこそ、に思えるのだ。

(評価:★5)

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