[コメント] 愛しのタチアナ(1994/フィンランド=独)
それぞれコーヒーとウォッカしか飲まなかった男ふたりが紅茶に口をつける姿がどこか可愛らしい。少ない台詞や音楽から流れる雰囲気に惹かれ、短いながらもいかにもカウリスマキという良さがある。(2005.7.27.)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ハードボイルドな男を気取るが、実はあまりにもお惚けだというカウリスマキ映画のお決まりのキャラクターがふたり。非常に愛らしい。コーヒーとウォッカをそれぞれ偏愛しているその極端さがチャーミングだが、彼らがふたりの女性に奢られた紅茶を飲むとき、ふと心に温かみを感じてしまう味があった。
マッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンのラブストーリーが中心になってくるが、カウリスマキ映画に欠かせないふたりが無言ながら静かに寄り添っていくシーンは、カウリスマキならではの間が見事な雰囲気を作っている。
メインのふたりの部分が良かったせいもあり、彼らが画面から去ったあとのエンディングはやや蛇足に感じられたが、62分という中篇だけに気軽に楽しめる憩いの一篇である。
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