[コメント] エアベンダー(2010/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
オリジナル脚本による特異な設定で賛否を巻き起こすM・ナイト・シャマラン監督。この『エアベンダー』も気、水、土、火の4つのエレメントを扱うベンダーたちが戦うファンタジーということで随分とユニークな設定だが、今回は原作としてテレビアニメが存在している。ユニークな設定をユニークな監督がどう料理するか、それは興味深い部分だった。
しかし、とにもかくにも、方向性が定まらない。シャマランの凝った構図や映像演出が生きるのかと思いきや、せいぜい少し緩急をつけたスローモーション演出がある程度で、いつもの作品に比べて個性が薄い。かといって、原作の良さを引き出すことに徹したのかと言えば、原作を知らない僕が見ていても説明不足な場面が多々あるなど、収めきれていない印象が常について回った。“アバター”の宿命であったり、そういった核になる部分の描写が希薄なことに加え、キャラクター同士のドラマも、結局のところ数多くのキャラクターの説明だけに留まってしまっている。
クライマックスの盛り上がりにしても、どうにも尻切れとんぼなままだった。
だが、それもそのはず、製作者たちは続編を作る気満々なんですね。火使いの天才とされる火の国の国王の娘が不敵に笑って幕が下りるわけで、そりゃアンは土と火の力はマスターしないまま話は進んでいくわけだ。3部作構想だなんて、あとから知りました(笑)
設定はとてもユニークだが、それを生かしきれていないまま3部作構想と言われても、続編に不安が残る。スケールが大きいんだが小さいんだが、なんだかよくわからない映画なのだ。話が壮大なのに、テンポが急ぎ足で必要描写を省いているようじゃ、ファンタジー映画は成り立たない。続編があるなら、しっかり話を膨らませてほしいものだ。
ただ、こういう映画を3部作でやろうとしちゃうシャマランって監督自身は、やはり憎めないヤツですけどね。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。