コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ロード・オブ・ザ・リング(2001/米=ニュージーランド)

「指輪物語」はこの映画版によって補完された。トールキンにこそ、この映画をみせてやりたい。そして彼が泣いて喜ぶ姿を想像してわたしは泣いた。物語の偉大な力にひれ伏す。
ALPACA

もしも、あなたが幸いにして「指輪物語」を読んでいなかったのなら、 三年間は、「指輪物語」を手にしない方がいい。この物語の世界を何も知らないで映画から知る。というのもまた、邪道などでなく、とてつもなく素晴らしいことだから。そして、今回の映画にあたる指輪物語・第一部「旅の仲間」だけを読むということは薦められない。なぜなら、第一部だけで先に進むことを止められなくなるから。今となっては、物語を全く知らないでこの映画を観るという幸せを味わいたい。と、不幸にして原作を読んだ全ての人はそう思っているに違いない。ねえ。(と手を耳にかざす)

しかし、指輪物語やトールキンの他の物語に熱中した人であればあるほど、あの圧倒的な中つ国のリアルな映像には驚嘆するしかない。映画で説明しきれていない絵が画面をよく見れば見るほど、きちんと設計されていることに驚く。

ピーター・ジャクソンの冒険は、世界中一億人以上の「指輪物語」を愛する人々の想像力との対決であったはずだが、それは十分にこの「彼」の映画の圧勝だったはずだ。監督らスタッフの指輪物語への愛情にひたすらひれ伏す。それは、トールキンの物語の単純な映画化。という行為ではない。

トールキンは、現代の小説で世界を創ったが、ピーター・ジャクソンは現代の映像で、トールキンの物語世界を補完した。

この映画の主題は物語自体だ。物語だけが世界を創れる。

今、もし世界を救えるものがあるとするのなら。それは、物語であって、人が物語を思う、人が人を思う「想像力」なのじゃないかしら。とそんなところまで考えましたよ。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (26 人)Orpheus ゼロゼロUFO[*] JKF[*] terracotta[*] m[*] Pino☆[*] アルシュ[*] アイ[*] ビビビ[*] ハム[*] 死ぬまでシネマ[*] tredair[*] は津美[*] ニュー人生ゲーム[*] ina washout[*] ミュージカラー★梨音令嬢[*] トシ[*] おーい粗茶[*] coma[*] 奈美[*] スパルタのキツネ[*] WaitDestiny[*] muffler&silencer[消音装置][*] ADRENALINE of Adrenaline Queen[*] ペンクロフ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。