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[コメント] ボーン・アルティメイタム(2007/米)

すごい映画だった。でも・・・
dappene

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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スプレマシーにはあったドラマが皆無なのが残念でならない。

モロッコでのアクションは必見である。数少ない互角の格闘シーン終了後のボーンの湯気が出そうなほど血気立った顔が印象的だ。ランディがいい人になりすぎて味わいが落ち、物語の中での善悪があまりにもはっきりしてしまったのも残念。

さて、本題。

この映画は超ハイテンションで結末まで駆け抜ける。その出来栄えには感服といわざるを得ないが、登場人物たちの心を拾わずにテンポよく進めすぎているように思える。ボーンのキャラは前2作できっちり説明済みなのをいいことに、ボーンの記憶と秘密計画のみに焦点をあてて、謎解きを直線的に突っ走る。ボーンや主要な悪役の心象や心理を省みなかったおかげで、エンディングまで心を奪われるようなシーンは登場しない。

これが痛い。

恐らく、数年後ボーントリロジーを振り返ると、思い出すのは「ベルリン」の息詰まるスナイプ未遂シーンと「モスクワ」の可憐な娘との悔恨の会話であろう。

※予想通り、スプレマシーのラストはただのアルティメイタムへのただの引っ張りだった。音楽も普通のオケ編成でおとなしくなってしまったのもマイナスかなぁ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)うたかた[*] けにろん[*]

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