悪い意味で「邦画らしい」って言葉を聞くことがあります。僕自身が結構邦画好きなのであまり好んでは使わないのですが、この映画は割とそういう意味で「邦画らしい」映画だと思っています。

ただこれの不思議な所は、その悪い意味の邦画らしさが、良い方向に結実しているように思えるんです。幅のない主演役者・しみったれたストーリー・無用にも思えるエロシーン達が、綺麗に一つの音楽を奏でだしています。その音楽は中々に生臭い曲ではありますが、この妖し気な世界観は結構面白い。これはやっぱり監督の才覚なんでしょうね。

脇の個性的な俳優陣の配し方も面白い。個性的な人達が個性的なまま活きています。でもやっぱり全てをまとめ上げたのは、安っぽくも妖しい主題曲かな。

最終的に生臭いのは生臭いままに、面白み溢れる映画になっていると思います。