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[コメント] ブギーナイツ(1997/米)

題材の割に男臭さが足りない。要は男はちんこじゃないってことです。増してや大きさじゃねぇんだよ!ねぇんだよう。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 才能の発掘、栄光、没落、そして再起。作品を通じて描かれる彼の人生は非常に興味深く、また面白くもあるのですが、一つ決定的に不足しているのが彼の「成長」です。ポルノにおいて必要なのが大きさであり、彼がその条件を満たしているのはわかった。だけどそれだけ。それ以外の彼の生まれ持った「光り輝く才能」とか、「上り詰めるための努力」などは具体的には全く描かれず、説得力を置き去りにしたまま彼はポルノ界のトップに立ってしまいます。だからいくらダーク・ディグラーが賞を総なめにしようと、僕にとって彼は頼りないエディのままだったんです。彼が低い階段をうっかり一歩上ってしまった程度にしか感じられないんです。

 まぁだからこそ彼の破綻が呑めるのかなとも思うんですけど、その後の凋落部分でもやはり彼の成長は描かれずに進みます。這いつくばって泥水をすすったわけではなく、ただ連れて行かれた売人の家で怖い思いをしただけ。泣きながらジャックに許しを乞うのも、成長や理解ではなく父親的人物への甘えに見えるわけで、ここに至ってもやはり彼はボンクラエディから変わってはいません。

 自分でするところを見せることで金をもらおうとするシーンで、エディは20ドルを10ドルに値切られ、それを了承してしまう。あれは正に「高校時代から+10ドル分の成長をもしていないエディ」の表現だと思うのですが、要はそれを見せられなくても充分にエディの無変化がわかり切ってしまっていたんです。だから彼の栄光や凋落がどうにも心に響いてこない。

 まぁ正直これはマーク・ウォールバーグの「小僧顔」が大きく影響してると思うのですが、いずれにしてもポルノという題材や劇中で流れる長い年月を考えると、もっともっと輝かしく栄華を極め、周りをねじ伏せ、ドン底まで転がり落ち、そして極太の希望と負け惜しみを叩きつけて欲しかったなと思います。

 まぁ要はこの映画は「ちんぽこ青春グラフィティ」で、僕が観たかったのは「イチモツ一代記」だったと。「性的に恵まれてしまった青春」には個人的には共感しかねます。事情は察して下さい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)Orpheus ハム[*] tkcrows[*] けにろん[*]

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