コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 新仁義なき戦い 組長最後の日(1976/日)

「燃えるヤクザ映画」としてのベクトルは正しいように思いますが、オーソドックスになったことでキャストの地味さが浮き上がってしまいました。結果「軽く燃える」映画に落ち着いちゃった。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ヤクザ以外の生き方に憧れながら、否応なくヤクザとしての権力を持たされていってしまう菅原文太。同時に親を獲られたことへの子の責任をも背負わされ、自ら抗争の渦の中へと飛び込んでいく。これです。僕はこの文太が観たかったのです。「望まずに抗争の中心にいるクセに、いざ戦いとなると火薬庫のような危なさを見せる」、これに燃えるんです。迷走を続けた新シリーズも、ようやく最終作に来て落ち着くところに落ち着いたって感じ。

 成田三樹夫はもちろん、新顔の藤岡琢也も味があって良かった。地井武男が裏切ってシャブ中の尾藤イサオが残るのも良かった。松原智恵子の清楚さと裏腹な大胆な行動も良かった。小沢栄太郎を文太自身の手で獲るのも良かった。

 ただねぇ、全体として見るとキャストがどうしても小ぶりに感じるんですよねぇ。迷走を繰り返した挙句に元の場所に収まったはいいけど、消耗してスケールが小さくなっちゃった。「この映画に文句はないけど、これ観るんだったら1作目観ます」ってことです。可も不可もない3点。

 あとラストに関しては、できれば刺された後の後ろ姿くらいで終わってもらえた方が余韻があったかなぁ。シリーズ最後の文太の顔が「痛そうな顔」っていうのはちょっと萎え萎えです。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。