「いやね、僕だってドンデン返しものなんていくつも観てるわけでね。そりゃ判りますよきっと」なんて思って借りました。

「あれでしょ？この男がやっぱり犯人だったって言うんでしょ？　あ、それともあれか、奥さんがホントは旦那を愛してて、それでってやつか。うん？　旅行社に行った女？　これ伏線か？　それにしても傍聴席の女の人きれいだなぁ」なんて思って観てました。

でラスト。「何だよ、全部かよ！」

ヤラレた。ちょっとやそっと読めたからって、あのドンデン返し連発には勝てません。あ、マレーネ・ディートリヒの変装だけは読めませんでした。

しかも仮に全部読めたとしても、充分に面白く作ってある。冒頭で観客全員にあの弁護士を愛し信頼させることで、「眼鏡のテスト」なんてものにまで（勝手に）意味を見い出させちゃう。で、そのまま弁護士ごと騙す！　荒技だな。心臓病もあれかな、観客をハラハラさせて目を眩ませる効果なのかな。何にしても上手いよなぁ。