[コメント] 女囚さそり けもの部屋(1973/日)
シリーズが進むに連れ、さそりがどんどん物語の中心から外れていく。今作は「さそりの物語」ではなく、「さそりを巡る女たちの物語」だ。そして僕が観たいのはやっぱり「さそりの物語」なんだな。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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前2作同様、今作でも「女の情念」みたいなのは溢れ返ってるんですけどね。ただそこに「さそり自身の情念」が薄いんです。1作目の夏八木勲、2作目の渡辺文雄と並ぶ存在が今作では李礼仙+成田三樹夫だとすると、「さそりから怨まれるいわれ」が余りに薄い。行きずりのちょっとした怨みくらいじゃあ「怨み節」は響いてこないんですよ。
まぁさそりもそんなに人を怨んでばかりもいられないだろうし、だからこそ今作では人の怨みを晴らす役回りになってるんでしょうけどね。方法論はわかるけど、結果さそりの魅力が薄まってしまったことは否めません。
ただし、おどろおどろしい演出が減り笑顔が増えたことによって、シリーズでは梶芽衣子が一番美しく見えた作品でもあったと思います。
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