序盤から韓国人のパワー溢れる描写に閉口して、一旦観るのを止めてしまった。大阪に住んでいた時にも、こういう光景見たよな〜とか思い出した。しかしここでの高評価を見て、思い直して再視聴。

　中盤までいけばグイグイ引っ張られた。これもそうだが、自分が気に入った『殺人の追憶』のような韓国映画には、人間の本能というか欲の部分を引っ張り出して、見せつけるパワーがある。本来過保護の母親の描写はうっとうしくて見てられないのだが、ここではそれを嫌悪感が出るぐらいみせつけ、人間の、そして母親の業というものを見せられた。

　確実なのは母親が浮浪者を殺したぐらいで他ははっきりしていないのだが、もやもやしたものは残らず、監督が伝えたかったものは十分伝わった。ラストのバス中のダンスは、それだけ見れば騒々しく不快なシーンだが、最初から見ていればとても印象に残る深いシーンとなった。