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[コメント] REVIVAL OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(1997/日)

「第25話」「第26話」と銘打たれている以上、TV版をひっくるめて観なければ評価できない難行苦行。
tkcrows

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「第弐拾伍話」と「第25話」、「第弐拾六話」と「第26話」。ファンはこういった表記に確執すると聞いたことがあるけど、個人的にはどーだっていい。それよりも一般の「映画版」にはお約束の、簡単な登場人物たちの紹介が一切省かれた、公然事実のTVの続編が「劇場で掛かる」ということが驚異なのだ。

大風呂敷を広げた末に収拾つかず、敵前逃亡してしまったTV版最終2話。その前までがクライマックスを期待できる展開だったために話題騒然(実際、社会現象とまでなったきっかけもこの2編であるはず)となり、仕方ねえなあとあろうことか最終2話を作り直してしまったものがこれ。・・・であるような気がしたのは、偏に全体を通しで観ると実にバランスの悪い作品だからである。

内向的な主人公が核となる部分がクライマックスを予見させるのはいい。しかし、この作品は時にコメディであったり時にアクションであったりしてバラエティに富んでいる。たまに思い出したように自己確認をする主人公はいかにもとってつけたかのよう。すべてをひっくるめ、明らかに序盤、中盤、終盤のテンポや色が違うのだ。どちらにしてもTV版が「ケツをまくって」終わってしまったのは確かだ。過度の期待という重圧を逆恨みしたのかどうかは知らない。監督の視線はあくまでも意地悪である。

「全面的な作り直し」。数多いる監督がやりたくてもできないのは、それは自己の否定にも繋がるからなのだ。それをやってしまった時点でこの監督は負けた。TV版の最期のアレで「だってこれがやりたかったんだもん」とツッパリ通し、劇場版など作らなければカッコよかったのにねえ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)べーたん 水那岐[*] Myurakz[*]

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