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[コメント] ローリング・サンダー(1977/米)

戦争後遺症で感情が無くなってしまった主人公。SEXもマグロでたぶん射精はしてない。しかし復讐の執着は半端なく無表情ながらにウキウキしてるのが分かる。しまいには相棒も巻き込む図々しさ
ギスジ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







復讐の動機はブロンソンみたいなノリだけど、根はかなり深い。7年も北ベトナムで監禁されてた後遺症は想像を絶して、何を聞いても何も見ても感情が表に出てこないんです。妻も幼なじみに寝取られても(言葉は悪いが)、「そうか‥」みたいな感じである。寝取った男性が、主人公の銃が並べられてある個室で「お前の妻と関係を持ってしまった‥」と告白するシーンは、さすがに主人公がキレて銃でぶっ殺してしまうんじゃないかとドキドキして観てましたが、実はその逆で「拷問されてた状況見たくないか?」と逆に寝取った相手に、ヒモを自分にきつく締めて「もっと引っ張れ!」と寝取った相手に拷問の再現させるんです。なんていうか相当ヤバイシーンでした。相手も相当怖かったと思います。

そんな主人公も妻と子供を強盗にぶっ殺されて、復讐という行動に移すんですが、主人公に昔から憧れを抱いているエロイ女性を巻き込むんです。エロイ女性は最初「王子様が白馬に乗ってやって来たんだ」と思い気分ルンルンだったんですが、メキシコまで行き殺しの手伝いをさせられるんです。なんちゅう自己中な主人公だなと思いました。当然彼女は怒りだして「もう帰る!」みたいな事言うんですが、実は本心では無くて、とにかく主人公の事が好きで好きで堪らないんです。結局は犯人殺しの手伝いをされるんでが、その間にも彼女は馬鹿な主人公に必死で自分の愛を訴える。「カナダに引っ越そうよ」「寒いから一日中家に居てずっとSEXしよ!」みたいな事を言うんです。その描写になんか泣けてきました。エロイ彼女を置いてきぼりにして(良かったね)、捕虜仲間だったトミー・リー・ジョーンズの家に直接出向くんですが、家に入ると周りの家族から「良く来たな!」と暖かく歓迎されるんです。そんなホンワカ雰囲気なんですが、水を差すように「ちょっといいか‥」とトミー・リー・ジョーンズを部屋にさそい、事を説明するとトミー・リー・ジョーンズは「ぶっ殺してやろうぜ!」と言うんです。妻と家族がせっかく歓迎会をしている横で、二人はショットガンやら武器を取りだしぶっ殺す準備をしているんです。なんだか複雑な感じでした。主人公の要求なんか無視したらいい。おまえは家族がいて、おまえを愛してくれてるミニスカートがキュートな奥さんがいるのに。それを無視し犯人がいるアジトへ出向きショットガンに玉を込めるトミー・リー・ジョーンズの姿に泣けてきます。これも戦争後遺症なんでしょうか。単におバカな二人なんでしょうか。前半の重たい戦争後遺症から一転、最後はドンパチ映画になって一瞬引きますが変わった映画で面白かったです。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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